全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保険料率および介護保険料率は、毎年3月分(4月納付分)から見直しが行われることになっています。今回、健康保険料率については各都道府県によって、引上げ・引下げ・据え置きとなり、介護保険料率は引上げ(全国一律)となりました。以下ではそれぞれの料率とその他の社会保険料率の変更見込みについて確認しておきましょう。
1.平成29年3月分からの協会けんぽの健康保険料率
協会けんぽの保険料率は、平成21年9月より、全国一律の保険料率から、各都道府県支部別の保険料率に変更されています。平成29年3月分から適用される健康保険料率は下表のとおりとなりました。
全都道府県のうち、もっとも高い保険料率は佐賀県の10.47%、もっとも低い保険料率は新潟県の9.69%となっており、佐賀県と新潟県の保険料は0.78%の開きがあります。これらは都道府県の格差が大きくなり過ぎないように、緩和措置が行われた上での保険料率となっていますが、平成29年度からその緩和措置が緩くなったため、これまでよりもさらに格差が広がっています。
2.引上げとなった介護保険料率
介護保険の保険料率は毎年見直しが行われますが、平成29年3月分からは、全国一律で1.58%から1.65%への引上げとなりました。
3.その他の社会保険料率の変更見込み
来年度のその他の社会保険料率については、労災保険率は昨年度から変わらず、雇用保険料率は引き下げられる予定となっています。雇用保険料率の変更は現在、国会で改正法案の審議中であり、今後、法改正が行われた後に正式決定されます。その動向も確認が求められます。
社会保険料率は、企業によって若干徴収のタイミングが異なることもあります。料率の変更漏れがないように注意し、従業員に早めに告知を行っておきたいものです。
■参考リンク
協会けんぽ「平成29年度の保険料率の決定について」http://www.kyoukaikenpo.or.jp/home/g3/cat330/sb3130/h29/290210
厚生労働省「平成29年度「雇用保険料率」を引き下げるための法律案を国会に提出しました」http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000150093.pdf
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。